以前の調達記に記述致しました「オーク編」の舞台は中国の極寒地域でもある東北地方でした。
今回は打って変わって南西地方の温暖な地域であり、なんとその温度差は50度近く!
流石は巨大な中国大陸、同じ国でも環境が違い、もたろん採れる木材が全く違います。
厦門の街角です。
植物が人間の作った建造物を覆いつくしています。
ミャンマーやインドネシアの様な南国で良く見られる風景で、植物の生命力が人間の生命力を上回った瞬間に現れる風景です。
一年を通して温暖な気候でないと見られない風景ですね。
オーク材がある風景とは全く違います。
しかしこの風景、空気も生暖かく気が緩みます。
リラックスできて私は好きです。
さて、この様な温暖な地域に来ると楽しみなのが食べ物です。
今回は8月頃に訪問したので、写真の果物が旬でした。
枝に着いた茶色い球状のもの、一見、果物には見えないかもしれません。
これは「龍眼」(ロンガン)という果物で、中は上品な白い果肉であり、味はライチのような味わい。
見た目とは裏腹に非常に美味しく万人受けの味です。
知り合いの庭にあったものを、枝ごと頂きました。
「麺料理」は私の中国訪問の楽しみの一つです。
この町にもありました、名物の麺。
写真左に写っている茶色いスープの丼がこの町の名物麺です。
何でしょう、全く味の想像ができませんね。
一口食べてみると、未知の味に出会いました。
ベースの味は、「唐辛子の辛さ」「ピーナッツの甘みとコク」「ホルモンの旨味」「ニンニクの香り」この4つです。
特筆すべきはホルモンの処理が非常に優れている事であり、臭みが殆どないのです。
いや、これは優れた麺料理です。見た目とは裏腹に美味しい。
この麺を提供しているお店です。
「沙茶麺」という麺料理でした。
地元の人が教えてくれたお店で、地元民でにぎわっていました。
床材の話に戻りましょう。
このままでは「グルメ旅行記」になってしまいます。
「検品」
これを行う判断の結果が商品のクオリティに直結します。
とても仲良くして下さるこの工場の検品は、私以上にこだわりを持っています。
その幾つかを紹介しますね。
写真の矢印を見て下さい。
この工場では、検品場の上には数本の蛍光灯が採用されています。
以前も述べましたが、この光は非常に重要です。
光が無いと、自然素材の小さなエラーを発見できません。
また検品は長時間に渡るので、目を疲れさせてはいけません。
いくら優秀な検品人でも、環境が悪ければその力は半減です。
ここの工場では塗装をされてベルトコンベヤーで運ばれたフローリングを、そのまま流れ作業でパッキングまでします。
写真を左から順にみると、「塗装ラインから出てきた様子」「検品の様子」「緩衝材を挟んでいる様子」「パッキングの様子」この工程が見られます。
この方法の良い所は、箱の中に小さなゴミが入らない事と、作業の効率化です。
箱の中にゴミが入ると、輸送中に床材にキズが付くことがあります。
この流れ作業は良い方法なのですが、意外にもこの形態の工場は私の経験上少ないです。
ありました。
品質管理の部門です。
ここでは生産されたフローリングを600本に10本の割合で、品質を常に確認しています。
大きく分けて、「含水率」「形状」この2点を常に計測します。
これはフローリングの凹凸を確認している様子です。
特別な道具はいりません、ただコイン一枚あれば十分です。
フローリングを並べ、その上にコインを置き軽く中指をあて、上下左右に動かすだけです。
もし加工精度が悪いと、フローリングをつなぎ合わせた箇所でコインが引っ掛かかりスムーズに動かすことができません。
今回も非常にスムーズに動きます。
これなら素足の生活でも、全く問題なく使用できますね。
60ケースを1パレットとして、シュリンク(サランラップの様な物)の梱包をします。
これをする事によって、外部からの湿気や乾燥から守ります。
無垢材は自然素材なので、これをしないと海を渡っての輸送中に品質が悪くなることがあります。
一旦、ここまでできれば一安心です。
中国でも、この地方でしか採れない素材があります。
その素材をフローリングにする場合、やはりその地方でフローリングにする方がクオリティが上がります。
何故なら、素材は大きな距離を移動する事により、品質が下がるからです。
品質が下がる理由として、「運送コストによる木材グレードの低下」「運送中の腐りによるグレードの低下」この2点でしょう。
出来る限り、「地産、地加工」で挑みたいものです。
しかし、現実は中々良い工場はありません。。「地産、地加工」で品質が下がるケースも珍しくありません。
ここの福建省の工場は奇跡のような所で、貴重な私の大切な場所です。
出会えたことに、また、長くお付き合い下さる事に、深く感謝しています。
ぜひ、このクオリティを味わって下さい。