調達記5 大連の加工所

アンドウッド 無垢フローリング 新潟 旅行記
写真:オーク90幅フローリングの素材

大連に戻り、フローリングの加工設備がある所へ。

良い素材であっても、加工がズサンでは納得のフローリングは出来上がりません。

調達も大切ですが、加工はそれ同等に大切なのです。

製材の命「乾燥」の工程。

この「乾燥」が一番重要と言っても過言ではありません。

この工程で手を抜いてしまうと色々な問題が必ず発生します。

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写真:乾燥窯

 

木材を乾燥する窯です。

我々は乾燥釜でキッチリと乾燥させた素材を使用しています。

基本的な無垢フローリングの乾燥方法は、

1、1週間乾燥釜で平均温度80度にて乾燥

2、乾燥窯を機能を切り、そのまま1週間養生

3、再度1週間乾燥釜で平均温度80度にて乾燥

4、再度乾燥窯を機能を切り、そのまま1週間養生

合計4週間は必ず費やします。

1度の乾燥と養生だけだと、含水率にバラツキが出て素材の精度が下がり、最悪は床材の暴れの原因になります。

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写真:真空乾燥窯

こちらは真空乾燥窯から出てきた素材です。

2~4ミリ程度の厚さが薄い素材に関しては此方で乾燥します。

メリットとして、

1、短時間で乾燥できる

2、均一に乾燥できる

3、板が割れづらい

この辺りが挙げられます。

デメリットとしては、設備投資額が高いことです。

乾燥後の材を確認したのですが、「含水率」が均一であり、非常にクオリティの高い素材に仕上がっています。

特に薄い単板の場合は、ほんの少しでも「含水率」が狂うと強く反りますので、かなり気を使います。

 

 

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写真:単板圧着機

こちらは、その単板をべニア板に圧着する機械です。

余り日本では見られない機械ですね。

季節によって、その圧着させる時間を調整します。

夏で40分前後、冬で60分前後でしょうか。

「温度」でなく「湿度」に反応する接着剤を使用していますので、接着時間が変わるんです。

 「湿度」が高い方が硬化が早く進みます。

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写真:接着剤の塗布量を計測

単板をべニア版に接着する接着剤の塗布量を重さで調べています。

これを定期的に行わないと剥がれの原因に直結します。

ある程度の機械化が進んでいても、それを扱うのは人であり、特にこの様な確認作業は必ず人の手で行います。

無垢フローリングの製材にも手間はかかりますが、単板貼りのフローリングの方が遥かに手間も技術も必要とします。

単板貼りフローリングの設備を視察するときは、かなり深い所まで指示を出さないと良い製品は間違いなく生まれません。

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写真:アメリカンホワイトアッシュのフリッジ

歩いていると、アメリカンホワイトアッシュのフリッジが。

 先端の部分は、割れ止めが目的で「ロウ」の様なもので塗られます。

これをしないと先端の部分から水分が抜けたり入ったりを繰り返し、木材が裂けてきます。

また、木材の種類によって、その色は塗り分けられているんです。

少し目が大味になる「アメリカンホワイトアッシュ」ですが、個人的に好きな素材の一つでもあります。

しかしこの材料も供給が少なくなっており、無垢での提供が難しくなってきています。

今後は2~4ミリの単板での供給が主になるでしょう。

やはり単板製造の技術は必要であり、枯渇しかねない木材資源を守ります。

 

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写真:トム君

お腹が空いたので、フードコートに行きました。

すると、どこかで見たようなキャラクターがお出迎えです。

胸に「TOM」と書かれているので、トム君なのでしょう。

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写真:ジョイさん

目を横にやると、トム君によく似たキャラクターが。

胸に「JOY」と書かれています。

きっとジョイさんなのでしょう。

ありました。お目当ての刀削麺です。

生地を刃物の様なもので削ってお湯に直接入れます。

この面を作るのは技術が必要で、この女性も相当な手練れだと予想。

しかし、この女性はアルバイトとの事。

中国には凄い人材が眠っていますね。

野菜入りの刀削麺です。

アッサリの味付けなので、いくらでも食べられます。

お好みでラー油を入れたり、酢を入れたりして大満足。

この量と味で200円位でした。

 

次回は商品として出荷される前の大切な業務、「検品」の作業です。

楽しみでもあり、緊張の瞬間でもあります。