調達記12 ミャンマーとチーク材

アンドウッド 無垢フローリング 新潟 調達記 andwood ミャンマー編
写真:ミャンマーチークの丸太

ミャンマーにはブランドチークで有名な「ミャンマーチーク」があります。

確かにその杢目や色合いは素晴らしく、通常のチークと比較して若干色が濃く、また若干密度が高いです。

今回の調達記では、その生産背景とミャンマーの建築でのチークの使われ方を紹介いたします。

ミャンマーチークの現状

andwood アンドウッド チーク 貯木場 新潟 無垢フローリング
写真:ミャンマーの貯木場にて

貯木場に訪問しました。見渡す限りの巨大な丸太です。

ミャンマーチークは非常に成長の遅い樹種なので、ここにある丸太は細いものでも樹齢100年は超過しています。

ここまで沢山あると価値が薄まって見えそうですが、実は一本一本が非常に貴重な素材なんです。

アンドウッド 無垢フローリング 新潟 調達記 andwood チーク 丸太
写真:大量のチーク丸太

ミャンマーチークの丸太は減少傾向にあり、ミャンマー政府が保全の為に、伐採を削減しています。

一時期に比べると、その流通量は4分の1以下になっているのではないでしょうか?

今後は益々とその流通量は減少し、入手が困難になってゆくと予想しています。

弊社では積極的に扱っている樹種ではありませんが、手にされた方は末永く大切にして下さるとチークも喜ぶと思います。 

ミャンマー建築はチーク無しでは存在できない。

アンドウッド 無垢フローリング 新潟 調達記 andwood ミャンマー インドネシア フローリング
写真:左ミャンマー 右インドネシア

建築巡りを前に、まずはミャンマーチークとインドネシアチークの違いを比べてみましょう。

写真の左側がミャンマー産で、右がインドネシア産です。

ミャンマー産の方が色が赤黒い感じですね。

インドネシア産の方が明るい雰囲気です。

決定的な色の違いの理由は明言できませんが、恐らくは育った「土」の差ではないかと予想しています。

その理由として、「生体種」「気候」「樹齢」この条件を揃えてもミャンマー産の方が色が濃くなります。※この写真の木材の樹齢は両方とも80~90年です。

残る比較対象は「土」であり、その「土」に含まれる成分が異なるのが原因でしょう。

余談として、ミャンマーチークとインドネシアチークの色の差は、経年を追うごとに違いがハッキリしていくと私は思います。

ミャンマーのものは、写真の様に「赤黒」に近い経年をします。

決してどちらが優れているという訳ではないので、お好きな見た目で選ばれるのがよろしいでしょう。

 

 

ミャンマーにある寺院へ訪れました。

まず目を奪うのは、天井に張り巡らされた板と装飾です。

色からして、間違いなくミャンマーチークです。

先ほどインドネシアチークと比較したミャンマーチークの色と同じですね。

その殆どは「柾目板」で使用されており、とてつもなく貴重な素材を贅沢に使用しています。

現在ですと、これだけの素材を集めることは困難でしょうね。

それにしても素晴らしい装飾と素材です。

 

 

アンドウッド 無垢フローリング 新潟 調達記 andwood ミャンマー編
写真:寺院の中のエスカレーター

ミャンマーの寺院の中は意外にも近代的。

上へ登るのにエスカレータが利用できます。

結構な高さがありますので、これは助かります。

しかし、目の前にはエスカレータを利用するお坊さんがちらほら。

彼らは楽をして登って良いのかな。。と恐縮ながら考えてしまいます。

 

 

アンドウッド 無垢フローリング 新潟 調達記 andwood ミャンマー編
写真:エスカレータを素足で

寺院の中では素足でなくてはいけません。

もちろん、エスカレーターを利用するときもです。

エスカレーターの溝が足ツボを刺激して変な気分です。

また、剣山の上に立っているかの様な感覚でもあり、気分はすっかり修行僧です。

アンドウッド 無垢フローリング 新潟 調達記 andwood ミャンマー編
写真:寺院の頂上へ

 

エスカレーターの力を借りて、上まで到達できました。

上には開けた箇所があり、多くの人が参拝をしています。

中には何時間も同じ体勢で祈っている熱心な人も。

建築の外装は金を基調にした装飾で非常に豪華な印象を与えます。

 

 

 

アンドウッド 無垢フローリング 新潟 調達記 andwood ミャンマー編
写真:寺院の中の床材

ありました。ミャンマーチークの床です。

先ほどの装飾の様に、全てが柾目とはいきませんが、贅沢なミャンマーチークの長尺ものです。

表面はポリウレタンコーティングで仕上げられています。

所々に割れがあり、素足で刺さりそうな箇所も見受けられましたが、皆さん気にせずに歩いています。

この様な荒い床は風合いがあり個人的に大好きです。

販売をしたいですが、ケガの心配がありますので踏み切れていません。

 

アンドウッド 無垢フローリング 新潟 調達記 andwood ミャンマー編
写真:ホテルの中の床材

ホテルに戻り、床に目を向けてみます。

やはりミャンマーチークです。それも寄木貼りをしています。

市松模様で床を貼っていますが、通常とは違い壁面に対して45度斜めにした角度で施工しています。(一般的な市松模様の施工はこちらをクリック)

通常よりも施工手間を必要とする為に、余り見かけることはありません。

 

 

アンドウッド 無垢フローリング 新潟 調達記 andwood ミャンマー編
写真:壁際の納まり

 

 壁際は同じ素材を使用して壁面に対して平行に貼られています。

日本では壁際まで同じパターンで貼られることが多いですが、ここも違うポイントですね。

この貼り方は非常に参考になります。 

ミャンマーには非常に魅力的な建築と素材があります。

しかし経済発展の影響で古い建物は取り壊され、新しい建築が次々に建設されています。

取り壊されてゆく建築の中には、素晴らしい素材を使用したものが多くあるのでは?

ミャンマーへ訪れる際には、是非とも古い建築にも目を向けてみてください。

それは玉石混交であり、ガイドブックには決して掲載されない建築かもしれませんが、何か凄い素材やアイデアが埋まっているかもしれません。

その建築は今しか見ることのできない、今見るべき貴重な建築である可能性があります。

ぜひ、探してみてください。