床材は幅が広くなれば広くなるほどに面白い木目が現れます。
「節」・「割け」、余り日本では好ましいとされてはいない、「腐り」の模様などなど。
それは自然が作り出した天然のデザインであり、同じものは二つとありません。
日本では素材と近似色のパテを使用し、埋めて補修をする事が一般的ですがアンドウッドでは真逆です。
あえて天然のデザインである節等を誇張させる方針を取っています。
また、少し粗目で仕上げる「ヨーロッパスタイル」のパテ処理も相まって、独特のデザインが作り出されました。
面白いデザインの板を集めて、3枚ずつにして紹介します。
上から1枚目の板 「バツ補修」
節の通り道でその途中で割れてしまった部分。
この部分は割れたり、腐っていたりする事が稀にあり、ノミでその箇所を削り出し、この様にパテ処理します。
独特の模様になった「バツ印」がなんとも言えずカジュアル。
上から2枚目の板 「深掘り補修」
節が抜けた箇所をノミで荒く整えてパテ処理。
少し大きめにノミをかけています。
作り手の手作り感がどことなくあたたかい雰囲気。
一番下の板 「アイランド補修」
節が抜けてその周辺も乾燥の最中に割れ、その箇所をすべてパテで処理。
パテを海に見立てて、「アイランド」と呼んでいます。
ごく稀にでてくるパテ処理方法。
似た木目が続いたときに、アクセントに使える箇所かもしれないですね。
上から1枚目の板 「イネ葉補修」
木目が真っすぐだった所に、何かの拍子で割けができたと思われる箇所。
その割けの部分に大胆にパテを処理。
この大胆な処理方法はヨーロッパ方面で人気があり、そちら仕様の床材にはよく見られますが、日本では余り見られません。
上から2枚目の板 「メオト節補修」
節が木材の中心に向かっている所が平行に切られた模様。
この様な杢目の箇所には、対になってもう一つ節が現れる事が多い。
この板もその例にもれず、下にある大きなパテ埋めの上に、ごくごく小さなパテ埋めも見られます。
まるで仲の良い「夫婦」の様で、素敵な木目では無いでしょうか?
一番下の板 「イネ葉補修」
腐りをノミで取り除いて、パテ処理をした例。
これもヨーロッパスタイルで、すこしラフなノミ使いで掘り出して大胆に大きくパテ処理をしている。
写真の中心には、かつて枝分かれしていただろう木目が見られる。その木目の中心から、太陽のフレアの様に「斑」が出ている。
これを見る限り、この板は相当な巨木から製材されたに違いない。愛しい一枚です。
上から1枚目の板 「アカ」
真ん中のパテ補修の左側に、赤い色の箇所があります。
これは、赤カビが木材を染色した痕で、天然の染色なんです。
カビ自体は高温乾燥をかけた際に死滅しており、この赤色がこれ以上広がる事はありません。
優しい色をしており、ごくごく稀にこの色に当たります。
上から2枚目の板 「水目補修」
節が割れて、その周りも割けて補修されている様子です。
「アイランド補修」の節周りと近い状態ですね。
平行に並んだパテが、川の水の流れの様です。
一番下の板 「イネ葉補修」と「シロ」
木材は切った断面から割ける事が良くあります。
これも乾燥の過程で割けた箇所を「イネ葉補修」でパテ埋めしています。
もうひとつ、この板の特筆すべき所は、長手方向に向かって白い線が木目と平行して出ている所です。
実は、この箇所は「シロ腐り」と呼ばれる部分で、日本の建築では好まれない場所です。
しかし海外ではデザインとして使用され、一部では珍重しています。
いかがでしたでしょうか?
ごく一部の木目とそれに対する補修方法ですが、見比べてみると非常に面白いものがあります。
アンドウッドでは、このような板は全て「キャラクターグレード」として位置付けて販売しています。
生活を豊かにしてくれる自然のデザインが一杯なグレードです。
仕入れたロットによって、このデザインは大きく左右されますので、気になる方はご購入の前に相談をして下さい。