箇条書きにしてみると、
①植林
②生育
③伐採
④製材
⑤現場施工
⑥竣工
運搬や輸入処理などの事柄は省いて、純粋に木材が建築の一部へと変化する過程はこんな感じでしょう。
余りにも多くの過程を経て、多くの人の手を借りて、床材はその本来の役目を発揮することができます。
アンドウッドでは、先ほどの①~⑥までを把握できるように常に目を光らせています。
しかしながら、その内①~③をすべて把握することは難しく、その状況は遠隔で定期的にミーティングで確認をします。
実際には、④~⑥までがアンドウッドの力が一番出せるところではないでしょうか。
とても気になる事です。
なぜなら、これだけ手間のかかった床材ですから、一日でも長くその存在をこの世界に留めておきたい。
それが心情です。
簡単に剥がして捨てて燃やすには余りにも勿体ない。
では簡単に捨てて燃やせないように、心情に訴えてはどうでしょう。
床材の素性を書き込みました。
以下、書き込んだ内容です。
2020年 アンドウッド製造 中国大連旅順にて
表層 フランス産 天然オーク材
基材 福建省 ユーカリ材 ポプラ材
表層のみイソシアネート系にて接着 ※ノンホルム
基材はフェノール系にて接着 ※乾燥にて無害化
100年後にもこの床材が活用されていることを望む
アンドウッド 代表 遠藤大樹 2021年9月24日
裏面に情報が書かれた床材を赤枠の所に張りました。
ここで大切な事は、「接着剤を使わない」事です。
これを使ってしまうと、剥がしても床材がボロボロになり再利用できなくなります。
24ミリの下地合板の上に、釘だけで施工をしてもらいました。
アンドウッドができる事は、竣工の一旦ここまでです。
裏に書き込んだ理由は2つあります。
価値のあるものを捨てる人はいるでしょうか?
剥がしたときに、この素材は貴重になっていると予想します。
しかし、その素性が判断できないとただの古い床に見られてしまうかもしれません。
また製造者自らが記入することにより信憑性が増し、未来に大きな価値を生む可能性があります。
恥ずかしながら綺麗な字ではありません。
しかしこれも味があると良い方向へ目に映れば幸いです。
未来の人間も心は必ずあるはずです。
「木材の素性」「補修方法」「施工方法」など、床材に対する情報が増えれば増えるほど、その床材の価値は増していきます。
アンドウッドはこれら情報をすべてQ&Aに日々蓄積して、誰でも見られるようにしています。
この情報が床材の価値を守るはずです。
また未来に床材が剝がされる時、想像も付かないような技術があるのかもしれない。
その技術とアンドウッドの残した情報たちが繋がり、床材に新たな価値が生まれるのかもしれない。
祈りにも近いような希望ですが、これを無くしては製造を続けることはできません。
未来に床材を残してみたい方、アンドウッドは手助けできます。
床材裏面に記入いたしますので、気軽にメールを下さい。
アドレス
mail@andwood.jp