
すっかりとHPの更新が途絶えていました。
いいわけなのですが、3月、4月と非常に立て込んでおり、休日もほとんどなく走り回っていたような感じです。
多くの方必要とされ、感謝でいっぱいです。。
走り回っている中、四国に伺った際に隈研吾さんが携わられた宿泊施設に泊まりました。

白やグレーを基調とした上品な建築で、木材を軒裏に使っているんだけれども木質感を感じさせない、非常に興味深い形です。

使われていたのは、おそらくヒノキ材で、源平や節がなく非常に綺麗なものを使われていました。
しかし、幅が乱尺であったり、長さも実は乱尺であり、歩留まりコストもデザインとして落とし込んでいる印象です。

最初は、一枚ものの長尺板を使用しているのかと思いましたが、よく見るとところどころに短手方向の継ぎ目がありました。
それでもこの継ぎ目がほとんど目立たず、全体として非常にすっきりとした印象を受けました。
このように継ぎ目を目立たせず、すっきりと見せている要因として、以下が挙げられます。
・無節の桧材を使用していること(源平材が少なく、赤白の色差が抑えられている)
・幅が乱尺であること
・材料同士の間に、適度な隙間を設けていること
・薄い白系塗料を施していること
これらの工夫により、継ぎ目の存在感が大きく軽減されているのだと感じました。

ずいぶん綺麗な桧だなと隅々まで見ていたのですが、この写真の箇所をみてその原因がわかりました。
白い粉が吹いており、塗装した痕が残されていました。
写真で塗られていない箇所のように、本来であればもっと黄色くなるはずです。
意外にも結構な厚い白塗料が塗られています。
この色調整は技ありだなあと感じます。すごい。。
ホテルの内装には、あまり印象が残りませんでした、、
決して悪いという訳ではなく、私のフォーカスするところが特殊だからだと思います。。
この木材の使い方を知れただけでも、金を掘り当てたかのような気分に浸れました。
軒裏にこのような使い方、とても素敵です。