乱尺と定尺

「乱尺」と「定尺」

どちらが面白い貼り方なんでしょうか。

最近ブラックウォールナットの乱尺を仕入れたときに出た疑問です。

 

この写真は乱尺のブラックウォールナットです。

長さがバラバラで、節もあるグレードなので、ザックリした感じが素敵です。

この写真は、オーク材を「すだれ貼り」にした施工現場の写真です。

乱尺では出来ない、均整のとれた貼り方です。

節有のグレードですが、上品にすら見えます。

乱尺と定尺ですが、見た目の印象を考えると、「乱尺」=「カジュアル」「定尺」=「ラグジュアリー」となるのでは無いでしょうか。

 

しかし、今回ブラックウォールナットを仕入れた理由は、見た目とは違う他の理由があるんです。

 

「定尺だけで採ると歩留まりが悪い」

 

実はこんな理由なんです。

ブラックウォールナット材は数も少なく貴重な素材です。

ですから短いモノでも、貴重な資源、乱尺で製材する事は非常に有効です。

ただ短すぎても施工性や見た目の問題があるので、一番短いものは400mmにします。

最長のもので、1200mmが入ります。

 

狙って決まった数量を作れない決まった長さを作れない。

「定尺」を作る過程で発生する床材。

それが「乱尺」の床材なんです。

 

今回述べたように、木製品の生産の過程には、いろんな理由や物語があると思います。

折を見て、すべての製品の製造ストーリーを公表したいですね。

きっと、それは面白いものになるはずです。