暖かさ、調湿効果とメリットは色々ありますが、一番のメリットは「見た目」にあると実感しています。
私自身も無垢の床で生活しています。
そして我が家の床が素晴らしいので(自画自賛で失礼)帰宅時に玄関を開けるたびに床を見て思わずほほ笑んでしまいます。
ほほ笑みは、無垢のメリットで言われている「暖かさ」や「調湿効果」以上に体と心の健康に役立っている気がします。
とにかく見た目が良いですね。
簡単に説明すると、木材が呼吸をする事によって、一年を通して湿度を一定に保つ効果です。
木材には目には見えない小さい穴が開いており、湿気の多い時はその穴に水分をため込みます。
逆に乾燥時にはその穴にためた水分をはき出します。
私は日の当らないマンションの1Fで、大量の無垢床に囲まれて2年程デスクワークをしたことがあります。
湿気がたまりやすく、立地としては最悪でしたが、湿気もカビなく、非常に快適に過ごせました。
いま思えば予想以上にこの調湿は生活環境に効果があったんだと思います。
確かに傷や汚れが付きやすいです。
私がよく例えるのは、使い込んだデニムパンツや革靴です。
傷がつき汚れていても、素材が良い、もしくは手入れをしているものは
貫禄がありカッコ良いものです。
余談ですがワックス手入れを続けると独特の艶がでます。
貫禄が出て、傷がついても高級感が出ます。
また、手入れをしないと艶が無くなり何処となく寂しいシャビー【shabby】な雰囲気です。これはこれでカッコ良いです。
お好みに合わせて床を成長させられるのも、無垢フローリングならではの楽しみの一つだと思います。
確かに反ります。私の経験上、反りは2種類あります。
■カップ反り
全体が波を打つように反ります。
主に柔らかい針葉樹の幅広ものに発生します。
つまずいて転ぶ程ではないので、個人的には一つの模様として楽しんでいます。
写真「パインのカップ反り」をご覧ください。
つなぎ目の部分が浮いている様な感じになります。定規のような真っ直ぐなものを置くとそれが判り易くなります。
このカップ反りが嫌いな人は、下記の条件を守って下さい。
①針葉樹の一枚ものは避ける
②110ミリ以上の幅広ものは避ける
別の発想ですが、カップ反りのメリットが着色した場合に現われます。
写真「着色のパインの反り」をご覧ください。
この床はパイン材に着色をして3~4年使用したものです。
パインなので、やはりカップ反りが発生しています。
するとどうでしょう、反って盛り上がったところは摩擦が多くなるので、ほかの所よりも色がはがれています。
この自然なビンテージ感は反らないと出来ません。
人工でビンテージ加工しても、突き詰めると「嘘っぽさ」が出てしまうため、本物志向の方は「反りやすい」フローリングを選択し育てるのもアリです。
■木材の反り(伸縮)による隙間
木材は年々と痩せて行く傾向にあります。
経験から、水漏れなどの極端な水分を含まない限り、施工された初年度7月~8月が
最も膨らんだ状態になります。(寒冷地除く)
それを経て徐々に木材は痩せて、床材と床材の間に隙間が発生します。
写真「無垢の隙間」を見て下さい。隙間が目立ちますね。
一方、写真「合板の隙間」はどうでしょう。
隙間が殆どありません。
実は左記のナラ材は2㎜単板を貼った合板床材なのです。
パッと見た感じは私でも無垢と合板の区別がつきません。
区別するなら、スキマの有無のみです。
隙間が嫌いな方は総括すると下記の条件を守って下さい。
①幅広の無垢材は避ける。
②単板合板にする。
③どうしても無垢が良い場合は、幅の狭いものにする
余談ですが、個人的にはスキマは味が有り好きです。
なので合板床の場合は、わざと隙間をつくって施工します。
(ここまで来ると、もはや変人です。。)
お気持ちはわかりますが、これが中々難しいのです。
なぜなら、私が仕入れをするときに「全ての木目を許容する」と契約をするからです。
木目、色を指定すると全体の20%弱くらいしか商品が製造できません。
これをする事により、「販売額の上昇」「資源の無駄遣い」この2点のデメリットが発生します。
販売額は極論ですが良いとして、資源の無駄遣いは心を痛めます。。
どうしてもそろえたい方は、相談してください。
販売額はかなり上がりますが、それによって発生した半端木材の有効活用を含めて海外で製材をしにいきます。
はい、稀にあります。犯人は「キクイムシ」です。
製材前に高熱乾燥をさせて、全ての虫は死滅しています。
しかし、運搬の過程や倉庫での保管時に虫が着くことが稀にあります。
弊社ではできるだけそれを防ぐように、フローリングのパッケージにセロファンを捲いて出荷をしています。
写真「虫食い穴」は虫が食べた穴が施工後になって現れた例です。
私が穴を埋めて補修をした写真も追加で掲載します。
(本当は木目等を書くとより良い見た目です。私は図工の成績は『2』でした。。。あしからず。)
見た目が気になる方は是非埋めて、木目も書いてみて下さい。(補修キットはホームセンターにあります)
余談ですが、この写真のナラ材は、実は噛むとほんの少しだけ甘い味がします。
きっと虫も美味しくて薬の付いていない木材を好んで食べている様に思います。
なので人間にとっても体に安全な材料だと私は思います。
はい、変色します。
漆喰のアルカリ性により、木材に含有する「タンニン」が黒色化します。
特にタンニンの多いナラ材、タモ材、クリ材に、この反応が見られます。
漆喰を塗るときは、養生を十分にして下さい。
万が一黒くなってしまった場合は、「アルカリ」の逆である「酸」を使用して中和させる方法があります。
ユニは、ユナイテッド(united)の略で「結合させる」という意味があります。
写真「つなぐ前のユニ」をご覧ください。
ギザギザにカットされた木材です。この左右のパーツを接着剤を用いてつなぎ合わせます。
写真「つないだユニ」は機械の力を使い、奥までつなぎ合わせたものです。
この合わせ方は「フィンガージョイント」略して「FJ」と呼ばれます。
斜め上から見た状態です。
木材がしっかりつながっていますね。
実はユニ形状はつながり合った木材同士が動きを互いに制御し合う為、反りやスキマが出来づらい形状なのです。
無垢の床材として、寸法の安定性の面から見て良くできた形状です。
「カスリ」とはバーチやブラックチェリーに見られる黒い線が見られます。
これの正体は、成長していく過程で傷ついた個所を木材自身が治したあとなのです。
「ミネラル」なんて呼ばれることもあります。
腐りや虫食いではないので、使用していく上で問題はありません。
ひとつとして同じ形の「カスリ」は無いので、その模様を是非楽しんでください。
白太(シラタ)とは木材の端にある白い部分を指します。
写真「フローリングの白太」をご確認ください。
赤い矢印を指す個所は、ほかの部分と違って明らかに白いです。
では、この部分は一体なんなんでしょうか?
余談ですが、白太の具合はフローリングの横幅方向に向かってどの位を占めるかで数値化します。
この写真ですと40%~50%程度の数値ですね。
写真「丸太の中の白太」をご確認ください。
丸太の断面図ですが、中心より外側の樹皮に近い部分は明らかに白いですね。
この箇所がフローリングに現れる白太の正体です。
この部分は根から水を上に吸い上げる役目もしていますので、非常に水分が多く、乾燥を丁寧にしないと狂いや割れが発生します。
近年の乾燥技術の向上でフローリングに使用されるようになりましたが、昔では使用することなど考えられませんでした。
非常に難しい箇所ではありますが、この白太の表情も捨てがたいので利用したいですね。
この部分の乾燥は製品の見せどころであると私は思っています。
源平とは、フローリングに現れる表情の一つです。
写真「源平」をご確認ください。
一枚のピースの中に、色が「白」「茶色」とクッキリ分かれていますね。
これを源平と表現します。
これがよく見られるのは、「バーチ」「杉」このあたりの素材です。
無垢の床材の定義は、厚み方向に対して継ぎがなく同じ素材である事です。
写真「無垢のフローリング」は無垢であると定義します。
確かに厚み方向15ミリに対して、一切継ぎがなく同じ素材ですね。
一方、写真「合板のフローリング」は合板と定義します。
(弊社では『プライウッド』と区分しています)
厚み方向15ミリに対して、数種の素材が重ねあっていますね。
「ユニ」は厚み方向へ対してではなく、長さ方向へ継ぎがある形状なので
無垢と定義されています。
私が木材について語れる、大好きな質問です。
が、色々と能書き垂れてしまうと日が暮れてしまいますので、シンプルに。。
杉、桧を代表とする針葉樹は「柔らかく」「あたたかい」です。
一方、ナラ、チーク等の広葉樹は「硬く」「冷たい」です。
写真「パインの経年による傷」をご覧ください。
松(パイン)材を数年使用した現場です。
やはり、柔らかいので細かい傷が目立ちます。
使い込んだビンテージデニムの様な感じですね。
一方こちらの写真「カップ反りによる色落ち」は、松(パイン)に濃い着色をして数年使用した現場です。
カップ反りにより、一枚の中の両端が盛り上がり、その部分がよく踏まれているので色が少しはがれています。
ビンテージ感が素敵ですね。
写真「キッチン下のオーク床」をご覧ください。
私の家のキッチン下で5年ほど使い込んだ床です。
ほとんどメンテナンスをしていなかったので、汚れはありますが細かな傷は殆ど見当たりません。
やはりオーク材を代表とする広葉樹は堅いのだと実感しています。
私の経験では、極端な目立つ凹みも余りできません。
「あたたかさ」に関してですが、発砲スチロールと鉄を思い浮かべて下さい。
発砲スチロールは針葉樹で、鉄は広葉樹です。
発砲スチロールは空気を多く含んでおり、断熱をします。
さわっても、極端に冷たくも暖かくもないですね。
一方、鉄は空気を余り含んでいません。
断熱をしないので、さわると冷たく、時には暖かく(熱く)感じますね。
無垢のフローリングは「あたたかい」という意見を良く聞きますが、主に針葉樹の床材でそれは当てはまると私は思っています。
「あたたかさ」に関してですが、発砲スチロールと鉄を思い浮かべて下さい。
発砲スチロールは針葉樹で、鉄は広葉樹です。
発砲スチロールは空気を多く含んでおり、断熱をします。
さわっても、極端に冷たくも暖かくもないですね。
一方、鉄は空気を余り含んでいません。
断熱をしないので、さわると冷たく、時には暖かく(熱く)感じますね。
無垢のフローリングは「あたたかい」という意見を良く聞きますが、主に針葉樹の床材でそれは当てはまると私は思っています。