我々の身の回りには多くの油があります。
「ごま油」「オリーブ油」「なたね油」等々、多くは食用として使われる油ですね。
しかし木材へ塗布する油に接する機会はそう無いと思います。
油の種類は大きく分けて2種類です。
「乾く油」「乾かない油」
とても単純ですね。
「乾く油」は木材に塗布して時間が経つと、表面がサラサラします。
反対に「乾かない油」は、ずっとベトベト感が残ったままです。
基本的に木材へは「乾く油」を塗布することが一般的です。
油を塗布するタイミングは2パターンあります。
1、床材を施工する前に工場で塗布する
2、床材を施工した後に現場で塗布する
タイミングは主にこの2点でしょう。
特殊な場合を除いて、私は1番の工場塗布をお勧めしています。
工場塗布をお勧めする理由として、「乾燥時間」を多く設けることができるからです。
現場で塗布をする場合、「速乾タイプ」の油が使われます。
この「速乾タイプ」、早く乾くのでとても便利ですが、デメリットもあります。
1、早く乾きすぎてムラになりやすい
2、早く乾きすぎて、木材に油が浸透しきらない
1番は塗布を慣れれば解決できますが、問題は2番です。
油が浸透しきらないと木目に色気が発揮できず、また油と木の接着も弱くなります。
しかし、我々も現場で塗布する事もあるんです。
それは「着色」するときです。
木材の色はその土地や建築の光の入り方で色を変えます。
着色の場合、現場の光を見ながら調色をして塗装する事が大切です。
工場で着色して、現場で見るイメージが全く違っていたなんて良くある話なんです。
「着色」の場合は現場での塗布をお勧めいたします。
色々と試しました。
ここ数年ですが、一つの考えに至りました。
「海外工場で塗装し、箱の中で熟成させる」
これが現在考えられる最良の塗布方法です。
「アンドウッドのフローリングはベタベタする」
なんて言われたことがあります。
そうだと思います。
なぜなら、乾かない油を塗っているんです。
しかし日本の空気に触れて、すぐに乾くように調合しています。
安心してくださいね。
木材に使用する油の考えは人それぞれですが、少なくとも乾燥期間は長く設けた方が良いでしょう。
木に油が馴染むんです。
馴染んだ方が木目も美しく映えますし、また深く浸透する事により木材そのものが強くなります。
遠くの海外で塗装をして、箱の中で熟成させながら日本に来る。
梱包を丁寧にして外気に触れさせないようにすれば、ワインのように熟成します。
アンドウッドのフローリングは、そんなフローリングです。
じゃあ、どんな油を使っているの?
それは。。。内緒です。
ヒントは乾かないけど、乾く油。