現在の床材に対する施工方法は、「接着材」「釘」を併用が一般的です。
実は「釘」だけでも床は貼れます。なぜ「接着剤」を併用するのでしょうか?
その理由としては、「床材の伸縮を軽減する事」「床鳴りを軽減させる事」この2点が主な理由です。
これらに対して接着剤の効果は偉大です。
しかし接着剤を使用すると大きなデメリットが一つあります。
それは、床を剥がして再利用できないという事です。
接着剤が付いた床材は剥がす時に割れてしまうので再利用が難しいんです。
100年以上かけて育った木材の床を、再利用できずにたったの数十年で捨ててしまう事は勿体ないです。
「伸縮」「床鳴り」、この2点を許容できる場合、「釘」のみの施工も検討できるのでは無いでしょうか。
しかし現在において、この工法は実例が少ないです。
新潟の靴修理屋さん「KADO」のオーナ小島さんのご厚意により、床材を「再利用」する事を目的とした施工のワークショップを開催しました。
下記、ワークショップの様子を記載いたします。
2017年12月某日、新潟にて床貼りのワークショップを開催しました。
参加者は9名。
ほとんどは、床張り経験のない方です。
果たして無事に施工が出来るのでしょうか。
釘を打ち込む為に使用した道具は、電動ドライバーです。
これで釘(ビス)を打ち込んだ床材は、剥がす時も容易でしょう。
逆回転させればスルスルと抜けます。
接着剤を使用せず、釘(ビス)で施工を進めます。
オーク材は硬いので、下穴を開けてから釘(ビス)で留めます。
下穴を開けずに最初は施工しましたが、少し難しく、綺麗に釘(ビス)が入りません。
手間ですが、開けておいた方が結果的に早く施工が出来るかと思います。
部分的には釘を使用しての施工もしています。
釘を奥まで入れ込むので、「ポンチ」を使用して叩きます。
少し慣れが必要な道具ですが、みなさん上手に使われていました。
少しイタズラをしました。
将来、剥がされる人へのメッセージを床の裏に残しています。
どんな思いで皆さんが貼られたか、未来の人たちに伝わるのではないでしょうか?
このメッセージを見て、どんな想いで、楽しくこの床が施工されたのか想像してくれると嬉しいですね。
過去と未来をつなぐ架け橋です。
人気の木材の需要と供給バランスは崩れており、間違いなく需要過多になります。
今回施工したオーク材は、これを剥がす事になるかもしれない将来は入手できなくなる可能性もあります。
これは余りに不公平では無いでしょうか?
貴重な建築素材は、未来の人間と「共有」すべきです。
建物自体は施工途中ですが、その写真をアンドウッドでは紹介しています。
ぜひ、ご覧ください。
「釘のみ施工」の床の今後を見守り続けます。
気になる床なりの具合も調べます。
随時UPしますのでご期待ください。